井戸のポンプ修理は自力でできる?依頼する時の注意点も解説
井戸ポンプは水道代の節約にもなり、農作業やガーデニング、洗車など生活用水として便利なので、導入している家庭も多いのではないでしょうか。
生活に役立つ井戸ポンプが突然使えなくなってしまったら、困ってしまいますよね。
井戸ポンプは自力で修繕できるのでしょうか。本記事では、井戸ポンプの故障の原因や修理方法、専門業者に修繕を依頼するときのポイントを解説します。
井戸ポンプの故障の原因
農作業やガーデニングに井戸ポンプを活用している方は、突然井戸ポンプから水が出なくなってしまったら不便ですよね。井戸ポンプが故障したときの症状は次のとおりです。
・水が出ない、量が減る
・水漏れの発生
・異常なモーター音
・未使用時もモーターが動く
・使用中に電源が落ちる
・水漏れ、漏電が発生している
これらは、井戸ポンプの圧力スイッチや羽根車、モーターのパーツが古くなっていたり大雨などによるショートが発生したりということが原因である場合が多いです。
これらの症状が発生した場合は、井戸ポンプの修理や交換を検討しましょう。なお、冬場に井戸水が出なくなったときは故障ではなく、寒さで水が凍結している場合が多いです。
井戸水の水量が減っている場合は、ストレーナーや砂こし器が砂でつまっている可能性もあります。その場合はつまった砂を取り除きましょう。井戸ポンプで発生している症状から状況を見極め、故障なのか自力ですぐに解消できる症状なのかを見極めてください。
井戸のポンプは自分で修理できる?
井戸ポンプの修理は、自力で修理が可能です。
井戸ポンプの寿命は使用年数10年ほどで、寿命を超えると故障が増えてきます。その都度業者に修理を依頼するとその分費用も発生するので、自力での修理も挑戦してみたいという方もいるのではないでしょうか。
井戸が浅井戸タイプで配管はそのまま使用し、ポンプのみを交換するのであればDIY経験のある方には難しい作業ではありません。しかし、配管や深井戸タイプのジェット、水中ポンプの取り換えは重労働で高度なテクニックが必要となります。
自力での対処は難しいので専門業者に交換作業を依頼した方が無難です。
井戸ポンプの交換を専門業者に依頼したときの流れは次のとおりです。
1. メールや電話、問い合わせフォームで依頼
2. 現場調整と見積もり
3. 施行
4. 施行完了
専門業者が交換作業を実施する場合、実際に現場の状況を見て金額を出します。費用は作業代金と新しいポンプ代金、古いポンプの処分代金などがかかってきます。
井戸のポンプを自力で修理するときに用意するもの
深井戸タイプのポンプ交換は自力での作業が難しいものの、できないわけではありません。深井戸タイプのポンプを交換する際に必要なアイテムは次のとおりです。
・新しい井戸ポンプ本体一式(塩ビ管、ジェット含む)
・塩ビ継手(エルボ含む)
・塩ビ管用接着剤
・シールテープ
・防食シール材
・塩ビ管カッター
・レンチやスパナなど
・ドライバー
・保温材
・ビニールテープ
必須というわけではありませんが、あると便利なものは次のとおりです。
・ハンドドリル
・電動式のレンチやドライバー
・滑り止めの付いた軍手
なお、深井戸タイプのポンプ交換は1人では難しいので、2人以上で実施しましょう。深井戸タイプのポンプ交換作業の主な流れは次のとおりです。
1. 古い塩ビ管とジェットを撤去する
2. 新しいジェットと塩ビ管を設置する
ポンプ交換作業を行う前に、必ず井戸ポンプのコンセントを抜いてください。コンセントを抜かずに作業をスタートしてしまうと、漏電や感電の恐れがあるので危険です。
古い塩ビ管とジェットを撤去するには、まず塩ビ管を塩ビ管カッターでカットしながら少しずつ抜いていきます。深井戸タイプは、塩ビ管が2本挿管されているので2本同時に引き抜いてください。
なお、塩ビ管は8m~20m差し込まれています。引き抜きの際に誤って落としてしまうと、引き上げることは不可能となり、最悪井戸が使えなくなってしまいます。
長さもあって水が入った塩ビ管は重いので、しっかりと保持して引き抜きましょう。なお、ハンドドリルがあれば塩ビ管に穴を空けて水を抜きながら作業することも可能です。水を抜けば重さも軽くなるので引き抜きやすくなります。
深井戸タイプは、ポンプ本体に合ったジェットが必要なのでポンプの交換と共にジェットも必ず交換します。ジェットを塩ビ管と塩ビ管用接着剤で接着し、井戸に入れていきます。
ジェットと塩ビ管の接着が甘いと井戸に差し込む途中で抜けてしまい、取り返しのつかないことになり得るのでしっかりと接着できているか確認したうえで差し込みましょう。
井戸ポンプの修理を依頼するときのポイント
井戸ポンプの修理を依頼する業者は、信頼できるところか見極める必要があります。
井戸ポンプの内部は見えにくいので、危ない状態で設置されていても一見わかりません。見えないところにしっかり気を配り、責任もってしっかり作業してくれる業者を選びましょう。井戸ポンプの寿命は約10年です。
しかし、中には2~3年持てば良いと考える業者もいます。新しく設置する井戸ポンプのパーツの材質をケチったり、作業を適当に行ったりする業者も残念ながら存在します。
せっかく設置しても、10年もつはずの井戸ポンプが2~3年で再びトラブルを発生してしまい、より費用がかさんでしまう事例も多いです。
井戸ポンプの交換作業を業者に依頼するときは、1社だけではなく複数社に見積もりを依頼しましょう。作業内容や価格を曖昧にせず詳しく記載してくれる業者は安心です。
アフターフォローが充実しているかどうかも、業者を選ぶ上で大切なポイントです。中にはアフターフォローは別料金が発生してしまう業者もあります。
ずさんな作業をしていなくても、水回りはトラブルが発生しやすいため、アフターフォローが充実している業者を選ぶのがおすすめです。井戸ポンプは10年おきに交換作業が発生する可能性が高いです。
初めての交換工事で相性の良い業者と巡り合えれば、安心して長く利用していけます。複数社をしっかり比較検討して親しみやすく信頼でき、安心感のある業者を探しましょう。
井戸ポンプ交換の作業事例
井戸ポンプ交換に至った事例から作業時間を紹介します。故障の状況や井戸のタイプ、交換するポンプのメーカーなどによっても作業時間は変動します。
15年使用した井戸ポンプのインペラと圧力スイッチなどが壊れたため、ポンプ本体を日立のものに交換した場合、工事の所要時間は約2時間です。破損して水が漏れていたポンプを交換した場合は、作業時間が約4時間です。
井戸ポンプ本体の価格は7万円程度、交換作業費用は4万円程度、既存ポンプの処分は3,000円程度が相場です。費用は業者によって異なり、酋長費などが加算される業者もあります。費用が相場とかけ離れていない業者を選びましょう。
まとめ
ここまで、井戸ポンプの故障の原因や修理方法、専門業者に修繕を依頼するときのポイントを解説してきました。
井戸ポンプは水道代の節約にもなり、家庭菜園やガーデニング、畑がある方には便利なツールです。しかし寿命が10年ほどなので修理や交換作業がその都度発生する可能性があります。浅井戸タイプであれば自力での対処もできますが、深井戸タイプは自力での対処が難しく業者に依頼するのがおすすめです。
その際は複数社に見積もりを出してもらい、しっかりと比較検討してください。中にはずさんな作業を行う業者も残念ながら存在します。
信頼できる業者と出合い、井戸ポンプを快適に使用できる環境を整えましょう。