生活していくうえで水は必要不可欠なものであることから、水道が使えないと誰しもが不便を感じてしまうでしょう。なので、新居を建てる際や自宅で水道が使えない事態に陥った場合は、いずれも水道工事を行わなければなりません。

ただ、日常的に水道の不具合があまり起きないことから、水道工事に関する知識がない方も多いため、今回は水道工事にかかる費用や工事業者の選び方、選ぶ際に抑えておきたいポイントなどをご紹介します。

水道工事にかかる費用はどのくらい？

水道工事を行うにあたってかかる費用の相場は、一軒家であるのか・アパートやマンションといった集合住宅であるのかによって変わってきます。

ただ、ここで紹介する費用相場はあくまで目安であり、住んでいる地域や自宅の状況・依頼する業者によって金額が上下するので、水道工事を行う際は必ず複数の会社から見積もりをとったうえで、工事の依頼をしましょう。

■一軒家
一軒家で水道工事を行う場合の費用相場は、次のようになります。

給水管の引き込み工事：30万〜50万円程度
室内配管工事が10万〜20万円程度
水まわりの詰まりや水漏れを解消する工事：5,000〜4万円程度
下水道排水工事：20万〜50万円程度
浄化槽の設置工事が90万〜100万円程度

給水管の引き込み工事は、公共の水道管からどれだけ距離があるのか、アスファルトの厚さによってかかる費用が変わってきます。

加えて、下水道工事も公共ますまでの距離・浄化槽の有無によって金額が変動することを覚えておきましょう。

■集合住宅
アパートやマンションといった集合住宅で水道工事を行う場合の費用相場は、水まわりにおける詰まりや水漏れを解消する工事が5千〜4万円ほど・水道設備を移動させる工事が40万円前後・配管の改修が70万円前後となっています。

ただ、集合住宅で水道工事を行うのであれば、工事前にその場所が専有部分であるのか・管理規約で工事が認められているのかを必ずチェックしなければなりません。

ここでの専有部分というのは、住んでいる人が単独で使用している部分のことで、主に壁や床の裏側に存在するコンクリートの仕切りが目安となります。

一般的に集合住宅の配管は、床とその下のコンクリートの間を通っているのでリフォームできますが、古い建物の場合は排水管が下の階の天井を通っていることもあり、そのような場合には自分の専有部分外になってしまうため工事することが不可能です。

そして管理規約でリフォームが認められていない場合は、工事の音が発生するのをNGとしていることもあるので、たとえその場所が専有部分であったとしても工事は行えません。

トラブルを起こさないためにも、集合住宅で水道工事を行う際は事前に以上の2点を必ず確認しておきましょう。

失敗しない水道工事業者の選び方

水道工事業者は世の中に数多く存在し、実際に工事を依頼しようと思っても選択肢の多さから迷ってしまう方がいるでしょう。

そんな時、選ぶうえでポイントとなってくるのが、十分な実績があるか・親切で丁寧な対応を望めるか・必要な資格を所持しているか・見積もりの内容が詳細か・対応可能な地域であるかということで、これらの項目を全て満たしている業者を選ぶのが確実です。

■十分な実績があるか
水道工事は専門的な知識や技術が必要となるため、これまで行ってきた工事の実績が多ければ多いほど安心です。

選ぶ際は10年〜20年以上工事を続けている業者がベストで、工事の実績はほとんどの場合、各業者のホームページに掲載されているので必ず事前にチェックしておきましょう。

■親切で丁寧な対応を望めるか
工事を行うにあたって、事前に気になる点や工事の内容について業者へ相談するかと思いますが、その際親切で丁寧な対応をしてくれるのか確認しておきましょう。

また、工事を終えた後に再びトラブルが発生する可能性もあるため、アフターフォローの面でもサービスが充実しているか相談時に確認しておくことをおすすめします。

■必要な資格を所持しているか
水道工事を行うために必要な資格はいくつか存在し、業者がそれらの資格を所持しているのかが重要になってきます。

自分が依頼する工事の内容によって必要な資格は変わってくるため、工事前に業者のホームページから所持している資格を確認しておきましょう。

ただ、資格の種類もさまざまで素人にはどの資格が必要なのか分かりづらいため、全ての資格を所持している業者を選ぶのが確実です。

■見積もりの内容が詳細か
工事後のトラブルを避けるためにも、工事前に見積もりの内容が詳細に記載されているのか確認しておきましょう。

見積もりの中に不明な項目がある場合は、不安を取り除くためにも業者に相談・質問することが大切です。

■対応可能な地域であるか
水道工事業者は自治体の指定を受けなければならず、対応可能な地域が限られているため、依頼を検討している業者の対応地域内は事前に確認しておきましょう。

また、自宅から遠い業者を選ぶ際は出張費などがかかる場合もあるので、費用を抑えるためにも事前にチェックすることをおすすめします。

水道工事業者を選ぶときに抑えておきたいポイント

工事業者を選ぶ際抑えておきたいポイントは主に、指定業者であること・下水工事への対応・繁忙期を避けるといった3点で、以上のことは水道工事を依頼するうえで事前に確認しておいたほうがよいでしょう。

■指定業者であること
一定の条件を満たし、各自治体の水道局から指定を受けた指定給水装置工業事業者(指定業者)と、非指定業者では対応できる工事の範囲も変わってくるため、工事を依頼する際は指定業者を選びましょう。

ただ、指定業者であっても信頼できる実績が少ないと不安が残るため、ホームページを確認し、なるべく実績の多い業者を選ぶのがおすすめです。

■下水工事への対応
水道工事とは一般的に上水道工事のことを示しており、多くの業者が上水道の工事を専門としています。

しかし、依頼する内容によっては下水道の工事も必要となるケースがあるため、依頼を検討している業者が上下水道どちらの工事も対応しているのかを事前に確認しておきましょう。

■繁忙期を避ける
水道工事の繁忙期は12月〜3月で、この期間に工事を依頼すると、工事にかかる費用が他の時期よりも高額になってしまうケースがあります。

よほどの緊急事態でなければ12月〜3月を避けることによって工事の費用を抑えられるでしょう。

自分で水道の修理はできる？

お金がかかってしまうことから、水道の修理は調べながらでも自分で行いたいという方がいるかもしれませんが、作業内容によっては自分で修理するのが不可能な場合も存在するので注意が必要です。

結論から述べると、素人が自ら修理できる範囲は、蛇口やパッキン・カートリッジの交換程度で、それ以上の作業は業者に依頼しなければなりません。

給水管の引き込み工事は自治体の指定を受けた水道工事業者しか行えないといったように、専門的な作業になればなるほどさまざまな資格が必要になり、無資格であればDIY以前に認められていない作業が多く存在するので、工事を行う際は水道工事業者に依頼する方法が確実です。

無資格のまま水道工事を行うと大きなトラブルに発展する危険性もあるため、水道に関して気になったことがあれば知識と経験のある業者に相談してみましょう。

水が使えなくなると生活していくこと自体が困難になるため、早急に水道工事を行わなければなりません。

ただ、工事の内容によって必要な資格がいくつか存在し、専門的な知識や技術がなければ直すことが難しいので、水道工事を行う際は必ず信頼できる業者に依頼しましょう。

まとめ

毎日のように使う水道だからこそ、工事料金が安いなどの理由ではなく、豊富な実績かつ丁寧でアフターフォローの充実している業者選びをおすすめします。