2階のトイレを流すと1階のトイレが逆流!詰まりの原因と対策を紹介
戸建て物件や2階建ての物件には、1階と2階の両方にトイレがついている物件があります。2世帯住宅もその中のひとつです。トイレは毎日使用するもので、なくてはならないものになっています。
生活動線を考えたときにトイレを2つ作った方が便利なのですが、同時に使用したとき2階で水を流すと下のトイレが逆流してしまうトラブルが発生する場合もあるのです。そこでこの記事では、詰まりの原因や対策法をご紹介していきます。
2階建ての排水管の構造
2階のトイレの水を流すと下の階が逆流する現象は、どのような状態なのでしょうか。これを理解するには、まず排水管の構造を知っておくことが重要です。理解しておくと、逆流する原因や対策が見えてきます。
1階と2階のトイレは排水管を一部共有
2階以上の建物は、排水管を一部共有しています。団地やアパートのトイレに入っているときに、上階の流す音が聞こえるなどがこの現象です。各階の配管を一部共有しているため、2階で詰まると下の階で逆流を起こすことになります。
下水道管
下水道管は、各家庭の生活排水を流す役割をもっています。水洗トイレも下水道管を通ってそのまま、処理場へ汚水が運ばれます。そのため2階以上の建物では共有している配管を使い処理されています。
排水升
排水管と下水道管の中間地点に存在するのが排水桝です。各家庭の汚水を一旦排水桝に溜めてから、下水道管に流します。ゴミや異物が、下水に流れ出さないようにしている役割をもっています。
メインの排水管
2階以上の建物にあるメインの排水管は、家庭の排水路になっています。そのため、各階で使用する排水路は、これ1本だけになっていて共有されているのです。メインの排水管の不調は、建物全体に影響してしまいます。
サブの排水管
サブ排水管は、各階のキッチンやトイレ、お風呂などに引かれています。建物の排水は、このサブ排水管を通ってメインの排水管へ合流する仕組みです。個別の排水管になっているため、ここでの詰まりは個別に対処できます。
1階と2階のトイレが詰まる原因
ここからは、各階のトイレがなぜ詰まってしまうのか解説していきます。原因が分かると対処する方法も自然に理解ができ、業者へ依頼する際もトラブルの詳細を細かく説明できるのです。
トイレは、各階で連動して詰まると対処が難しくなる場合もあります。原因を知り、自分では対処できないと感じたら、必ず業者へ相談してください。主な原因別に紹介していきますので、参考にしてください。
配管つまりによる汚水の逆流
メインの排水管が詰まると、2階のトイレで流すと下の階に影響を及ぼします。これは建物で、排水管が共有されているために起こるトラブルです。普段は、配管を通って下水道へ流れていく仕組みですが、メイン配管が詰まると汚水はせき止められます。
そのため、行き場をなくした汚水は下の階で逆流してしまうのです。メイン配管の詰まりは、簡単に対処できるものではありません。業務用の高圧洗浄機などを使用して解消するため、業者へ依頼してください。
大雨による汚水の逆流
台風や大雨が続いたとき、排水桝の水位が増加して、水が逆流する場合があります。排水桝は、汚水や異物を下水へ直接流さない役割を持っています。そのため水位が上昇すると水が流れずに逆流してしまう可能性があるのです。
川の増水などが、ラジオやニュースで知らされたときはすぐに対策をとることが大切です。特に台風などでは時間との勝負で、川が増水をおこします。簡単に対処できる方法もあるため、早めに実行してください。
2階のサブの排水路のつまり
メインの排水管に排水が合流するまでに、サブ排水管を通って各箇所の排水が流れてきます。そのため、サブ排水管が詰まる場合があるのですが、サブ排水管は共有されていないため、ほかのフロアに影響を及ぼすことはありません。
共有されていないサブ排水管の詰まりであれば、2階のトイレだけの詰まりを解消させていきましょう。解消されていれば、そのままメインの排水管に流れていき、スムーズに排水が行われるでしょう。
2階のトイレが詰まったときの対処法
では、ここから2階のトイレが詰まってしまった場合に、どのようにして対処をおこなったら良いのかを説明していきます。下記の方法で改善される可能性もありますが、万が一直らなければ業者へ相談してください。
下記の対策法のほかにも有効な方法はいくつかありますが、ここでは手軽にできる対策法をご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
サブの排水管のつまりを解消させる
2階のトイレのみが詰まってしまった場合は、サブ排水管に詰まりが生じていると考えましょう。サブ排水管は、建物全体の排水管と共有はされておらず個々の排水経路になっているからなのです。
トイレットペーパーなど、水に溶けやすいものが原因で詰まっている場合には真空パイプクリーナーや、ラバーカップなどを使用して詰まりを解消できるときがあります。実際にどのような改善策があるのかを紹介していきます。
ぬるま湯を流し入れる
ぬるま湯で詰まりが解消できるのは、トイレットペーパーや汚物などの詰まりです。水に溶けやすいものが原因であれば、この方法が有効になります。トイレの水をバケツを使いできるだけ汲み取ります。底が見えるくらいまで汲み取るのがコツです。
ある程度汲み取ったら、ゆっくりとバケツにいれたぬるま湯を便器の中に流し込みます。しばらく時間をおいてから、バケツで少しづつ便器に水を流し入れ解消できたか様子をみましょう。何度かくり返しているうちに、解消できることがあります。
専用薬剤で洗浄する
トイレ専用薬剤で、2階のトイレを洗浄していく方法もあります。尿石や汚れが原因での詰まりには、トイレ専用の薬剤を使用することもおすすめです。しかし、薬剤を入れてからいきなりレバーを回すことは、危険なのでやめましょう。
改善されていない場合は、便器から水が溢れだす可能性があるからです。まずはバケツにいれたぬるま湯を、少しづつ便器に流し込んで様子をみてください。スムーズに流れるようなら、レバーを回し詰まりを解消させてください。
ラバーカップや真空式パイプクリーナーを使う
家庭にあるラバーカップや真空パイプクリーナーを使用する方法もおすすめです。基本的な使い方は、便器にカップを差し込み真空にした状態で原因を引き上げて改善させるという方法になります。
ラバーカップと真空パイプクリーナーの基本的な使い方は同じですが、真空パイプクリーナーの方が圧力が強いため、頑固なつまりにも有効です。ラバーカップで試して改善されないようなら、真空パイプクリーナーを使用してみましょう。
大雨での逆流は水を入れたゴミ袋で便器にフタをする
大雨によって川が氾濫したり、急激に水位が増加したりすると下水の逆流が起こります。逆流によってマンホールから水が溢れることもあるのです。この場合は、1階だけでなく、2階のトイレにも被害が及ぶため注意が必要です。
大雨が原因での逆流には、水を入れたゴミ袋を便器に入れてフタをする対策がおすすめです。ニュースなどで、川の水が増水すると聞いたときは、早めにトイレだけでなく、キッチンやお風呂などにもフタをして備えましょう。
自力で解決するのは困難なときは業者へ相談しよう
トイレ詰まりの原因と対策法を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。2階以上の建物の排水管は、排水管の一部が共有されています。そのため、メインの排水管が詰まると建物全体に影響がでてしまう仕組みです。
2階のトイレで水を流すと1階のトイレで逆流するという現象は、これが主な原因だと考えられます。2階のみ詰まってしまった場合や、排水桝からの逆流であれば自分で対処できる場合もありますが、メインの排水管は各階で連動されています。
メイン排水管の詰まりが原因であれば、迷わず専門業者に相談してください。業務用の強力洗浄機などで、詰まりを解消してくれるでしょう。