シャワーヘッドの残留水とは?故障との見極め方と修理方法を解説
シャワーを使った後、ポタポタと水が出てくることがあります。これは「残留水」と呼ばれるもので、故障ではありません。しかし残留水が長く続くようなら、それは水漏れの可能性があります。
この記事ではシャワーヘッドの残留水についてのほか、水漏れとの見分け方・修理方法などを解説します。
目次
シャワーヘッドの残留水とは?
残留水とは、シャワーヘッドの中に残った水が出てくる現象です。通常、ヘッドの中にある水は、表面張力により中にとどまっているため、出てくることはありません。しかし、気圧の変化によりホース内に空気が入ると、残った水が漏れるように出てくるのです。
これは故障ではなく、構造上引き起こされている現象のため、大体30秒、長くても1分以内には止まります。使った後すぐ水漏れしても、すぐに止まるようなら修理などは必要ないと覚えておきましょう。
残留水を防ぐ方法
残留水は、中の水が出てしまえば止まります。シャワーヘッドを振って水を切るか、水が出る部分を下向きに寝かせるような形でホルダーにかけるなどすれば、残留水は防げます。残留水が気になるなら、使った後は水を切るか水滴が出ないような置き方をしましょう。
残留水と水漏れの見極め方
シャワー周辺の故障は、残留水と似ていることがあり、混同してしまう方も少なくありません。見分け方としては、水滴が出ている時間や、水が出る部分の角度を変えるなどの方法があります。
残留水は、長くても1分程度しか続きません。それよりも長く水が出ているなら、残留水ではなく、水漏れの可能性があります。
また、残留水は、水が出る部分を上向きにすると一時的に止まります。上向きにしても水が出ているなら、水漏れをはじめとした故障の症状です。
残留水がずっと出ているときは、水漏れが発生していないか、周辺パーツをチェックしましょう。
シャワーから水漏れしていた場合に考えられる原因
シャワーの水漏れが疑われる場合、以下の故障が発生しているかもしれません。原因と発生個所を解説しますので、水漏れの修理にお役立てください。
シャワーヘッドの故障
水が出るヘッドが破損すると、残留水のような形で水漏れすることがあります。水漏れが疑われるときは、まずヘッドに異常がないか確認しましょう。この場合、部品交換で修理できます。
パッキンやホースの劣化
シャワーヘッドに異常がない場合、そのつなぎ目に使われているゴムパーツであるパッキンや、ヘッドにつながっているホースで異常の発生源であると考えられます。つなぎ目やホースをチェックしましょう。
パッキンはゴム製のため、金属やプラスチックでできたほかのパーツに比べ、早く寿命が来ます。パッキンに限ったことではありませんが、ゴムは劣化すると縮まり、ひび割れます。
パッキンはヘッドとホース・ホースと蛇口のつなぎ目に使われているので、劣化していないか調べてください。
蛇口の故障
蛇口側の故障による水漏れが、ホースを伝ってくるケースもあります。ヘッド・ホース共に異常がなければ、蛇口を調べましょう。ホースや蛇口の付け根・蛇口のハンドルなどから水が漏れていないかチェックしてください。
シャワーヘッドが故障していた時の修理方法
主な原因を押さえたら、次は修理方法を学びましょう。まずは修理の中でも比較的簡単な、ヘッドの交換方法を解説します。
用意する道具
作業の前に、以下の道具をご用意ください。
・マイナスドライバー
・新しいシャワーヘッド
マイナスドライバーは、止水栓を閉める際に使います。新しいヘッドを購入する際は、浴室の蛇口やホースと合致するメーカー・型番のものを購入しましょう。道具が用意できたら、作業に進みます。
止水栓を閉める
思わぬ水漏れを防ぐために、止水栓を閉めます。止水栓は、給水管についている栓で、回した回数により供給する水の量を調節している栓です。栓には溝があり、マイナスドライバーを入れて反時計回りに回すと閉められます。完全に動かなくなるまで閉めましょう。
このとき、止水栓を何回回したかをメモしておきましょう。修理の後で栓を開けるときに使います。止水栓は、回した回数が多くても少なくても不具合につながります。栓を開けるときは、必ず閉めたときと同じ回数だけ回すようにしてください。
シャワーヘッドを新しいものに交換する
止水栓を閉めたら、古いパーツを交換します。手で回すと外れるので、新しいものをつけなおしましょう。きちんと取り付けておかないと、結合部分から水漏れします。新しいヘッドを付けたら、動かなくなるまできっちり回してください。
止水栓を開けて異常がないか確認する
シャワーヘッドが交換できたら、止水栓を開けます。閉めたときと同じ回数だけ時計回りに回してください。
栓を開けたら水を流し、水漏れなどの症状が出ていないか確認します。水漏れなどの異常があれば、再度止水栓を閉めて修理してください。異常が改善されれば作業は完了です。
パッキンやホースが劣化している場合の交換方法
次に、よくある故障のひとつであるパッキンやホースの劣化を修理する方法を解説します。
用意する道具
交換の際には、以下の道具を使います。
・マイナスドライバー
・交換用のパッキンまたはホース
道具の使用用途と注意点は、ヘッドのときとほぼ同じです。交換用のパーツはシャワーや蛇口に合ったものを選びましょう。道具が準備できたら、作業を開始します。
止水栓を閉める
この作業でも、思わぬ水漏れを防ぐために止水栓を閉めます。作業はヘッドのときと同じです。栓を回した回数をメモするのを忘れないようにしましょう。作業が終わったらパーツの分解に移ります。
シャワーホースまたはヘッドを外す
劣化したパッキンやホースのあるパーツを外し、パッキンはホース内部に入っており、ヘッド・蛇口の両方にあります。故障している部分のパッキンを取り外しましょう。故障の状態により複数交換するものがある場合は、すべて取り除きます。
古いパッキンや故障したホースを交換する
古いパッキンやホースを取り外したら、新しいパーツを取り付けます。古いパーツを外したときとは逆の手順で取り付けてください。
取り付けの際、きちんとパッキンがはまっていなかったり、パーツの接続部分が緩んでいたりすると、そこから水漏れが起きます。パーツを交換した後は、きちんとはまっているか確認してください。
止水栓を開けて異常が改善されたか確認する
故障したパーツを交換したら、止水栓を開けます。栓を閉めたときと同じ回数だけ回しましょう。その後、シャワーを使い水漏れなどが改善されたか確認してください。
改善されていなければ、再度栓を閉めて修理します。完全に異常が改善されたことが確認できたら、作業は完了です。
蛇口の故障は業者に任せた方が安心
このほか、蛇口も故障することがありますが、蛇口の中には複数のパーツがあるうえに、形状により取り付け方法が違います。蛇口に異常があるときは、プロに設置してもらった方が安心です。
蛇口で故障が発生している場合は、専門業者に連絡し、修理を依頼しましょう。また、これまで解説した修理方法を実施するのが難しい場合も、業者に相談すれば対応してくれます。少しでも不安があれば、業者の力を借りて対応してください。
まとめ
シャワーヘッドの残留水はヘッドの構造上発生するもので、故障ではありません。しかし、シャワー周辺が故障していると、残留水と同じような症状が出ます。故障をいち早く発見するには、残留水と水漏れの違いを見極めなくてはなりません。
見極め方自体はとても簡単なので、覚えておきましょう。故障原因と箇所がはっきりしたら、自分で修理してみましょう。なお、DIYが難しい方は、無理をせず業者の力を借りて対応してください。故障を放置すると悪化するため、早目に対処しましょう。