キッチンの高さが合わないとどうなる?適切な高さを知って快適にリフォームしよう!
キッチンの高さが合わないと体の負担が大きくなってしまい、料理をしたり洗い物をしたりする上での障害となってしまいます。リフォームをする際は、キッチンの高さもしっかりと合わせなくてはなりません。
しかし、リフォーム費用や高さの基準は、普段意識するものではないためわからないのも無理はないでしょう。キッチンの高さを変える際に注意したいポイントも含めて、確認しましょう。
高さの合わないキッチンを使う弊害は?
高さの合わないキッチンを使い続けると、肩こりや腰痛、首痛などを引き起こすおそれがあります。とくに低いキッチンだと腰を曲げて作業をする時間が長くなり、腰痛になってしまうケースが少なくありません。
さらに、頭も下に向けているため、肩や首に負担がかかります。キッチンでの作業が終わったあとに、体が痛くなってしまう場合は、キッチンの高さが合っていない可能性があるため、改善するのが得策です。
■料理がしにくくなる
キッチンが高すぎると、包丁を使った時に力が入れられず、固い物を切る時に力が必要になります。包丁のコントロールが上手くできず、指を切ってしまう可能性もあるでしょう。
また、混ぜる・こねる・炒めるなどの作業もしづらいため、料理がしにくくなります。
■水はねしてしまう
キッチンが低すぎると、水はねして衣類や床が濡れてしまいます。袖やお腹の部分が濡れてしまうため、料理の時間が苦痛になってしまいます。
さらに、床が濡れると転倒するリスクもあるため、ケガに注意しなければなりません。
キッチンの高さを変えるリフォーム費用は?
キッチンの高さを変えるリフォーム費用は、高さの変更か、新しいキッチンに交換するかによって費用が変わります。
■キッチンの高さを変えるリフォームの場合
業者にもよりますが、高さのみを変える場合は20万円前後でリフォームが可能です。工期も3日程度と比較的早い傾向にあります。
注意すべき点として、排水管や水道管などの延長が必要になるケースがあり、その場合は別途費用がかかることが挙げられます。
また、キッチンを取り外し、台を作って高さを上げるため、素材がキッチンと合わないと見栄えが悪くなってしまう可能性があります。したがって、使う素材に関しては業者と相談しましょう。
■シンクの高さだけを変えるリフォームの場合
シンクの高さだけを変えるリフォームも可能です。費用は少々厄介で、幅100mm以内のステンレスシンクにリフォームする場合は最大で約8万円です。そして、幅100mm以上にする場合が約13万円です。
工期はいずれも1日であるため、すぐに新しいシンクが利用できますが、幅によって費用が変わると覚えておきましょう。
■コンロの高さだけを変えるリフォームの場合
ガスコンロからIHヒーターにするだけでも高さが大きく変わるので、コンロの高さを変えたい人はIHにリフォームしてもよいかもしれません。費用は最大で25万円程度で、工期は1日です。
IHにする場合は電源設置工事が必要であり、場合によってはIHの導入ができない可能性があるため、管理組合へ相談しなければなりません。
■フルリフォームの場合
キッチンをすべてリフォームする場合は最大で150万円程度です。そして工期は1週間程度です。
キッチンの高さだけではなく、経年劣化が心配な人はフルリフォームがよいでしょう。キッチンの位置や型を変える場合はもっと費用が必要です。新しくアイランド型キッチンにしたいと考えている人は、ある程度費用を確保しましょう。
さらに、使う素材によっても費用が変動するため、業者とよく話し合って決めるのがおすすめです。
キッチンの基準となる高さは?
理想的なキッチンの高さは、身長÷2+5で算出できます。身長が160cmの人だとキッチンの理想的な高さは85cmです。
キッチンの高さは、日本工業規格によって80cm、85cm、90cm、95cmと5cm刻みで決まっています。シンク、カウンター、コンロは、それぞれ使いやすい高さが異なるため、高さを変える場合は3つとも考える必要があります。
■算出方法に当てはまらない人もいる
上記の式はあくまでも目安であり、人によって最適なサイズが異なります。もし上記の式でもしっくりこないようであれば、肘を曲げた状態からマイナス10cmで測ってみてください。ショールームやモデルハウス等で体験してみてから、リフォームをするのもおすすめです。
■迷ったら高めにする
低いキッチンだと腰を曲げながら作業するしかありませんが、高いキッチンは台を使ったりスリッパを履いたりといった対処ができます。したがって、キッチンの高さに迷った場合は、高めに設定して後から対処しましょう。
また、2世帯住宅などで、キッチンを使う人が多くいる家庭の場合も、同様にキッチンは高めがおすすめです。
親世代に合わせたキッチンを作りたいと考える方も多いと思いますが、高さは後から調整できるうえ、先々のことを考えるとキッチンを利用する時間が長いのは子世代です。もちろん、状況に合わせてリフォームするのが理想的であるため、よく話し合ってから決めましょう。
■キッチンの高さを細かく設定できるメーカーがある
日本工業規格では5cm刻みでしたが、多くのキッチンメーカーでは2.5cm単位でのサイズを展開しています。
そして、さらに細かい単位で展開しているキッチンメーカーもいくつかあるので紹介します。たとえば、ハウステックは1cm単位で高さの調整が可能です。また、パナソニックは1mmや5cm単位で高さの調整が可能です。キッチンメーカーの中には、上記のように細かく高さを指定できるものがあるので、自分にピッタリなキッチンが作れます。
キッチンの高さを変える際に注意したいポイント
最後に、キッチンの高さを変える際の注意点を紹介するので、キッチンの高さを変える前に確認しておきましょう。
■コンロとレンジフードの距離に注意
コンロとレンジフードの距離は建築基準法によって決まっているため、業者にきちんと距離を確認してから高さを変えましょう。コンロとレンジフードの距離が近いと調理中にけがをするリスクがあるため、せっかくリフォームしたのに快適な台所ではなくなってしまいます。
IHは80cm以下、ガスコンロは100cm以下であるかどうかを確認しましょう。
■敷物の高さやスリッパを加味する
キッチンマットを敷いている場合は、敷物の高さを加味してキッチンの高さを決めるのがおすすめです。また、上述した通り、高いキッチンであればスリッパを履いて調整ができるため、普段スリッパを履いている人は、スリッパの高さも考えてから工事を開始しましょう。
まとめ
キッチンの高さが合わないと、体に負担をかけるだけではなく、料理をするのも苦痛になってしまいます。リフォームする場合は、理想的な高さを算出する式や、敷物やスリッパの厚みを考慮して高さを算出しましょう。
リフォーム費用はキッチンの「どの部分を変えるか」によって、費用も工期も異なるため、一部分だけ高さを変更する場合は注意してください。
また、キッチンを一度も手入れをしていない家庭や、キッチンの経年劣化を懸念している人は、すべてリフォームして高さを調整するのも選択肢の一つです。ショールームやモデルルームに足を運び、理想的なキッチンの高さを見つけてみてからリフォームしても遅くないので、自分に合った高さのキッチンを見つけてからリフォームをしましょう。