和式トイレを洋式トイレに交換するメリットや費用相場
高齢化社会に伴い、自宅の和式トイレを洋式トイレにリフォームしよう」と考えている人は、少なくないでしょう。
トイレのリフォームにはある程度の費用がかかりますから、事前にどれくらいの予算が必要なのかを理解しておきたいものです。
そこで今回は、和式トイレを洋式トイレに交換するメリットや費用相場について詳しくお話しします。
和式トイレを洋式トイレに交換するメリット
まずは、和式トイレを洋式トイレに交換する具体的なメリットを紹介します。
■子どもから高齢者まで誰でも使いやすい
洋式トイレは足や腰に負担がかからないので、子どもから高齢者まで使いやすいメリットがあります。座って用を足すので、子どもから高齢者まで誰でも使えるトイレです。
しゃがんで用を足す和式トイレでは、足や腰に負担がかかるだけではなく、バランスを取らなければなりません。洋式トイレは子どもや高齢者が転倒するリスクがないので、安全に利用できます。
二世帯住宅等の人や、バリアフリーや介護が視野に入っている人は、日常的に使うトイレを洋式トイレに交換すると使いやすくなります。
■いつもキレイな状態のトイレが使える
洋式トイレは、便器に特殊な加工が施されているので、汚物が便器に付着しにくくなっています。自動洗浄機能や汚れやニオイの原因となる菌を除去してくれる機能なども付いているので、便器内がいつも清潔です。
また、洗浄時に便器から水が飛び跳ねないようにもなっている便槽の深さもメリットです。
和式トイレよりも掃除する頻度が少なくて済むので、手入れもラクになるでしょう。
紙おむつなどのトイレに流せないものが流れてしまった場合の対処は、和式トイレではできませんでした。便器を外して異物を取り除けるのは、洋式トイレならではのメリットです。
万が一便器が壊れてしまっても、リフォームの必要なく便器の交換ができるので、時間もお金もかかりません。
■洋式トイレは節水効果に優れている
洋式トイレは、節水効果が優れています。
和式トイレの場合、一回の洗浄に使う水は16リットルでしたが、洋式トイレの場合は一回の洗浄で6リットルしか使いません。
また、新しいトイレが開発されるたびに使う水が少なくなっていて、現在では3.8リットルしか水を使わないトイレもあります。
水の量が少なくても水流を工夫して便器内を洗浄できる技術があるので、トイレットペーパーや汚物が流れない心配もありません。
■ウォシュレットの取り付けが可能
洋式トイレは、和式トイレではできなかったウォシュレットの取り付けが可能です。
ウォシュレットを取り付ければ、冬でも便座に座っても冷たくなく、温かい状態で用を足せます。
また、トイレットペーパーを使う回数が減るので、菌との接触を減らし、肌を守れます。
ウォシュレットの使用により、便器内を濡らして汚物の付着を防いだり、脱臭機能としての効果があるので、ウォシュレットの取り付け一つで多くのメリットが得られます。
和式トイレを洋式トイレに交換する際にかかる費用相場
洋式トイレの種類によって交換にかかる費用が変わります。
料金の相場としては、
・組み合わせ便器:15~20万円
・一体型トイレ:25~35万円
・タンクレストイレ:35~45万円
・システムトイレ:35~50万円
目安なので金額に誤差があるかもしれませんが、上記の金額は最低限でも用意しておきたいです。
洋式トイレに交換するだけの人や、安くリフォームをしたい人は組み合わせ便器、トイレのサイズや節水トイレにこだわりたい人は一体型トイレやタンクレストイレがおすすめです。
システムトイレは収納一体型トイレであり、収納スペースを確保したい人におすすめですが、割高になってしまう点だけ忘れないようにしましょう。
また、ウォシュレットを設置する場合は、トイレ内にコンセントを設置する必要があるので、数万円の工事費用がかかります。
■壁や床の張り替え作業
和式トイレから洋式トイレに交換する場合は、床を壊してトイレを設置します。
段差をなくす作業もあるので、トイレ全体の床を新しくしなければなりません。
したがって、床の土台を作ったり、床材の張り替えを行ったりする費用がかかります。
また、壁紙を交換する人はさらに費用がかかります。
■給排水管の移動作業
和式トイレと洋式トイレでは、給排水管の位置が違うので、移設して設置しなければなりません。
管を伸ばして方向を変える作業が一般的であるため、比較的低価格です。しかし、給排水管の位置によっては、作業の時間がかかってしまいます。
■解体や撤去の作業
外した和式トイレの処分費用です。
業者が持っていくので捨て方は気にしなくてよいのですが、トイレだけではなく床も壊している場合、ゴミが大量に出てしまいます。
和式トイレを洋式トイレに交換する方法
まずは床を壊してトイレの撤去と段差をなくす工事から入ります。
そして、給排水管を洋式トイレに適合するように移設しながら、床材の土台も作ります。
土台の上に床材を取り付けたら、壁とのつなぎ目を、巾木を使って隠し、便器を設置して給水管をつないで完了です。
ウォシュレットは最後に取り付けます。
和式トイレを洋式トイレに交換する際の注意点
洋式トイレに交換するにあたって知っておきたい注意点があります。
交換前に注意点について知っておくと、当日対応がスムーズになります。
■工期にかかる時間をチェックしておく
半日から1日で終わる工事の場合、仮設トイレの設置はありません。
工事当日だけ、商業施設のトイレやコンビニのトイレを借りましょう。しかし、工期が1日以上かかる場合は、仮設トイレが設置されます。工期が長ければトイレの心配はありませんが、工事前には業者にトイレについて聞いておくのがおすすめです。
バリアフリー化を進める意味でトイレのリフォームをする人は、間取りの変更も視野に入れてください。和式トイレがあった間取りでは、介助が困難であるためです。
トイレの間取りを広くすれば介助しやすくなるので、トイレの交換だけで終わらせないようにしましょう。
和式トイレの上に洋式トイレを被せてリフォームする方法もあります。
工事の費用はグッと抑えられるので低価格でリフォームをしたい人におすすめです。
しかし、製品によっては取り付けられないものがあったり、定期的な掃除が必要になったりと、若干手間がかかってしまいます。また、バリアフリー化を意識したリフォームの場合、トイレの空間は狭いままであるため、おすすめはできません。
まとめ
和式トイレから洋式トイレに交換するメリットや費用相場の紹介でした。
メリットだけを見るとすぐに交換したくなってしまいますが、費用や工事の時間を考慮するとすぐに交換はできないかもしれません。
また、バリアフリーを意識したトイレリフォームであれば、間取りを広くしたり、手すりを設置したりと他にも必要な工事が増えるので、いろいろ検討しながら交換しなくてはなりません。
リフォームの目的も考えながら、洋式トイレに交換しましょう。