マンションのトイレが詰まった!下の階へのトラブルを防ぐための対処法
戸建てとマンションでは、建物の構造が大きく異なります。そのため、万が一、トイレのトラブルが起きた時、対処方法も変わって来るに違いありません。
この記事では、マンションのトイレが詰まった時にどのように対処できるか詳しく解説します。近隣トラブルを避けるためにも知っておきましょう。
マンションの排水管は戸建ての排水管と違い、共有部分と専用部分に分かれています。洗面所やトイレ、バスルームなど、各部屋の専用部分から流れてきた排水が共有部分で1つになり、流れていくというわけです。
共有部分の排水管は、1つの配管が上の階から下の階まで繋がっているという構造になっています。1つの配管を共用した造りとなっているため、万が一、トラブルが起こった場合は、下の階に大きな影響が及ぶでしょう。
排水トラップとは、配管内に設けられている水が溜まる部分を指します。
この水のことを「封水」と呼び、中に水を常に溜めることで、下水からの悪臭や害虫を防いでいるのです。さまざまな種類がある排水トラップですが、以下で代表的な排水トラップを4つ紹介します。
Sトラップ
S字にカーブさせて水を溜めるSトラップは、パイプが下向きになっている形をしているため、排水をした際に水が減るため、逆流を起こすことがあります。
洗面所やキッチン、バスルーム、トイレなど多くの場所で使用される排水トラップといえるでしょう。
ドラムトラップ
ドラムトラップとは、水を溜める部分がドラムのような大きな形をしている排水トラップのことです。
バスルームやキッチンで使用されることが多く、たくさんの水を溜められるのが特徴です。そのため、封水が減ることも少ないと言えるでしょう。
椀トラップ
排水管につながる部分に円筒を差し込み、その上からお椀型のパーツを被せた構造になっている排水トラップを椀トラップと呼びます。
水を流すと、椀の外側に流れて封水と一緒になり、封水の水位が上がると円筒に溢れて排水管に流れ込むという仕組みになっています。
Pトラップ
Pトラップとは、アルファベットのP字のような形状にカーブさせて、封水を溜めている排水トラップのことです。
排水トラップとパイプの高さには差がほとんどないため、逆流を起こしにくい排水トラップともいえるでしょう。
マンションのトイレの詰まりの原因とは
マンションのトイレ詰まりには、どのような原因があるのでしょうか。以下では、4つの原因を紹介します。
トイレタンクに水が溜まっていない
トイレタンクに水が十分に溜まっていないと、排泄物を流すための水量が足りずに詰まりを起こしてしまうかもしれません。
トイレタンクの中に節水アイテムを入れている場合は、それが引き金となることもあるため、一度取り除いて様子を見てください。
また、タンク内の部品が破損している可能性もあります。部品が劣化していないか、定期的にタンク内をチェックするようにしましょう。
異物や固形物を流した
異物や固形物を誤ってトイレに流すと、大きな詰まりの原因になるでしょう。目視できる場所であれば、すぐに取り除いてください。
しかし、排水パイプの奥まで流れてしまうと自分では解決するのは困難です。無理に除去しようとすると、異物をさらに押し込む危険があるため業者に連絡してください。
紙類を流しすぎる
水に溶けるトイレットペーパーや、流れるタイプの掃除シートであっても流しすぎると詰まりを引き起こすことがあります。
一気に流すのはやめて、少量ずつ流すようにしてください。
マンション共有部分の排水管つまり
マンションの排水管は独立しているわけではなく、他の部屋と1つの配管で繋がっています。そのため、共用部分の排水管に詰まりが生じてしまうと、排水管で繋がっている他の部屋まで詰まりが生じる可能性があるのです。
特に、上の階でトイレ詰まりが起こる場合には、下の階まで詰まりが生じたり水漏れが起こってしまったりする可能性があります。
下の階に損害を与えてしまった時は?
マンションのトイレが詰まってしまい、下の階まで影響が出たことが分かった場合には非常に焦ってしまうものです。
早く解決しようと、自分で業者に依頼することを考える方も多いでしょう。しかし、その前に行うべきことがいくつかあります。
そこで、業者に依頼する前に確認しておきたいポイントを3つ紹介します。
管理会社に連絡する
まずは、管理会社に連絡してください。管理会社に連絡しないで業者を呼んでしまうと、責任の所在があやふやになってしまいます。
何が原因でトイレが詰まったのか、詳しく説明しましょう。トイレットペーパーの流しすぎや固形物を落としてしまったなど、借主側の不注意でトラブルが生じた場合は、借主が費用を負担することが多いでしょう。
一方、トイレの配管の劣化や共有部分での詰まりなどが考えられる場合には、貸主側の責任になります。管理会社によっても規定に違いがあるため、まずは確認してみましょう。
指定の修理業者がいるか
管理会社の多くは、提携している修理業者を持っています。提携している業者がいる場合は、指定の修理業者を呼んでください。
指定の修理業者がいるのに、自分で業者を選んでトイレ詰まりを修理してもらうと、入居者の全額負担になる可能性もあるため、注意してください。
保険が適用されるか
借主側の責任であることが分かった場合には、火災保険が適用されるかをチェックしてください。多くの場合、マンション入居時に火災保険に加入しているはずです。
火災保険の内容によっては、トイレの修繕費用が補償されるものもあります。保険会社に直接問い合わせることもできますが、加入した時に発行された「保険証券」をチェックするとすぐ保険内容を把握できるでしょう。
水道業者の選び方
自分で業者を探す場合には、どのような基準で選べばよいのでしょうか。
以下で、水道業者を選ぶ上で押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
見積り内容を開示してくれる
業者に依頼する場合、詳細に点検をした後に見積りを提示してくれるはずです。見積り内容に対して、丁寧に説明してくれる業者は安心できるのではないでしょうか。
また、トイレ詰まりの修理代金の相場は1〜3万円です。相場と異なる費用が提示される場合には、その理由を詳しく求めてください。
水道局工事指定事業者である
水道局工事指定事業者とは、法律や法令に定められた基準に沿って、適正な工事ができると自治体によって認められた業者のことです。
トイレ詰まりの工事全般に対応している業者であるため、安心感を得られるでしょう。
実績がある
業者としてこれまでどれだけの実績を積み上げてきたかチェックすることも重要です。多くの実績がある業者は、あらゆるトラブルに強く柔軟な対応をとってくれるに違いありません。
業者のホームページ上に、詳しい実績を提示しているため、事前に確かめておきましょう。
まとめ
マンションのトイレは、共有部分の排水管が上から下へと繋がっている構造になっています。そのため、トイレが詰まった場合、下の階にも大きなダメージを与えてしまうでしょう。
しかし、すぐに業者を呼ぶことは避けてください。まずは、管理会社と連絡を取り、誰に責任があるのか、提携している業者はあるのか確認しましょう。
落ち着いて行動すると、大きなトラブルを避けながら、速やかに問題を解決できるはずです。