トイレの止水栓(ドライバータイプ)が固まって回らないときの対処法を解説
トイレには、止水栓というものがあり、水道修理時や断水したい場合に止水栓を閉めて水の供給を停止します。
ただ、止水栓はあまり触ることがなく操作法がよく理解できない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、止水栓(ドライバータイプ)が固まって回らない場合の対処法を解説します。
止水栓(ドライバータイプ)が固まって回らないときの対処法
普通トイレの止水栓はマイナスドライバーを用いて開けますが、固くて回すことに苦労する場合もあります。
止水栓を閉める必要がある状態は、トイレ点検時や急な水漏れトラブルなど、閉めなければならない状態にあると思います。
ここでは、タイプごとの回し方について解説していきます。
ドライバータイプの止水栓には2パターンあり、外ネジ型と内ネジ型に分かれます。
以下順に解説しますので参考にしてみてください。
外ネジ型の場合
外ネジ型は、トイレの止水栓で頻繁に使われる型です。
配管部から突起している箇所の溝部分にマイナスドライバーを差し込み、止水栓の開け閉めをします。
右側回りに回すと「水を停止」、左側回りに回すと「出水」の操作が可能です。
内ネジ型の場合
内ネジ型は、先に紹介した外ネジ型と同じくマイナスドライバーで回す型の止水栓です。
外ネジ型と異なるところは、溝部分の突起がないことです。
差し込み箇所が大きいので、マイナスドライバーで回しづらい場合は水栓専用のドライバーを準備するといいでしょう。
止水栓が固まって回らない原因
止水栓が固まって回らない原因には、2通りあります。
1つ目は「止水栓の固まり」2つ目は「回す向きと回し方が誤っている」です。
まず、止水栓の固まりのケースです。
止水栓を動かさないで長い時間そのままにしてしまうと、パッキン類やスピンドル類といったパーツが固まって、ちょっとした力では動かせなくなる場合があります。
固まりの原因は以下のようにいくつか想定されるので、原因に適した対処をする必要があるでしょう。
・パッキン類の老朽化による固まり
・水アカや錆といった汚れによる固まり
次に、回す向きと回し方が誤っているケースです。
止水栓は回す向きによって開け閉めの動作をします。
普通は全開のままになっているので、「開ける」向きに回してもそれ以上回せません。
おそらく、トイレの止水栓を全く回した経験がない人は多いかと思いますので、回し方や向きをよく知らない人もいるでしょう。
止水栓を強引に回したり、誤った回し方をしてしまったりすると、止水栓の故障や水漏れトラブルにつながります。
よって、スムーズに回せない場合は一度作業を中断して回し方を確かめてみましょう。
固まった止水栓を回す方法
止水栓の回し方は間違っていないのに、なぜか固まって回せない場合は、固すぎて回す力が不足しているのかもと考える人もいるかもしれません。
ただし、力を込めすぎると止水栓が壊れる危険もあるので、以下に紹介する方法を実践してみましょう。
即効で直したい場合は、水道の元栓を閉めて応急処置をする
トイレが水漏れしているので、緊急で止水栓を閉めたい場合は、直ちに実践できて効果的な対処方法があると安心できるでしょう。
「トイレの止水栓が回らない」しかしいち早く対処が必要な場合は、差し当たり水道の元栓を閉めておけば応急の処置になります。
ただ、水道の元栓を閉めてしまうと、台所や風呂など建物全部の水道が使用できなくなるので、別の場所で水を使っている人がいる場合は、元栓を閉めることをあらかじめ伝えておくといいでしょう。
水道の元栓があるところは戸建て・アパートで異なる
水道の元栓があるところがわからない場合は、ひとまず戸建てかアパートのどちらに住んでいるかで判断してみてください。
戸建てのケースは、外の水道メーターの蓋内に取り付けしてある場合がほとんどです。
アパートのような集合住宅のケースは、玄関横の給湯器・ガスメーターが設置してあるパイプスペース内部を確かめてみましょう。
ただ、集合アパートやマンションによっては外に1箇所に設置されているケースもあります。
強引に回すとネジ舐めの危険性もある
トイレ止水栓が固まって回せない場合に、力を入れすぎて強引に回そうとした場合、工具がすべり、ネジのヘッドを削ってしまう、ネジ舐めの症状が起こる場合があります。
ネジ舐めを数回繰り返すとネジのヘッドが完全につぶれてしまい、ネジを回せなくなるので、固まった止水栓を目一杯回しながら処置するのはできる限りやめましょう。
ネジ舐めした場合はネジすべり止め液で補修する
止水栓がネジ舐めした場合は、溝の形がやや変わったレベルだと、ネジすべり止め液で処置できる場合があります。
ネジのヘッドにネジすべり止め液を数的滴たらすと、ネジのヘッド部の摩擦がスムーズになって、ネジ舐めを防ぐ効果が期待できます。
ただ、完全につぶれている状態では効果が期待できないので、あくまで「軽度のネジ舐め」への予防対策として使いましょう。
ウォーターポンププライヤーを使用して回す
外ネジ型の止水栓が固まって回らない場合は、突き出たところをウォーターポンププライヤーでおさえて回す手段があります。
工具でネジをそのままつかむと、ネジ舐めや形崩れの危険があるので、間にタオルなどをはさみながら掴むといいでしょう。
内ネジ型のケースはつかむところがないので、他の対処法を試してみてください。
止水栓にシリコン潤滑油を使って回しやすくする
止水栓の錆や汚れによる固まりが要因で回らなくなっている場合は、止水栓にシリコン潤滑油を使用すると動作がスムーズになる場合があります。
シリコン潤滑油はトイレの止水栓だけではなく、カランや洗濯機のホースなど水道の配管全てに使えるので、点検専用に1つ常備しておくといいでしょう。
止水栓にシリコン潤滑油を使用する際の方法は下記の通りです。
まず、止水栓に付着したホコリ汚れや水アカを清潔に拭きます。
その後、止水栓の動作箇所に、指や専用ヘラ、綿棒でシリコン潤滑油を塗ります。
最終的に潤滑油が浸透したら、試しに止水栓を回してみましょう。
ハンマーで徐々に叩きながら回す
溝がある種類の止水栓で実践できる対処法です。
止水栓の溝箇所にマイナスドライバーを差し込んでから、ドライバーの柄部分をゴムハンマーで軽く叩きながら振動を加えると、振動によって内部の錆がはがれおち動きが滑らかになる場合があります。
強めに叩きすぎると止水栓が壊れたり、パーツ同士がかみ合わず水漏れしてしまったりする場合があるので、軽めに慎重に叩きます。
叩いても解消されない場合は、他の対処方法を実践してみましょう。
対処後に水漏れが起こった場合
老朽化したパッキンが固まっていたことが要因で止水栓が回らなくなる場合、止水栓を回した後に水漏れが起こる場合に注意しましょう。
止水栓を回したことでパッキン箇所に隙間が生じると、そこのところが水漏れする原因になる場合があります。
固まった止水栓を回した後は、止水栓を分解してからパッキンやナット類の状態を確かめ、老朽化がある場合はパーツを取り替えることをおすすめします。
まとめ
ここまで、トイレの止水栓(ドライバータイプ)が固まって回らないときの対処法を解説してきました。
ドライバータイプの止水栓は2通りですが、どちらともマイナスドライバーを使えば回すことができます。
ただ、回そうとしても回せないときは、「元栓を閉める」「潤滑油を使う」「ハンマーを使う」など、本記事内で紹介した方法を参考にしながら対処してみてください。
水漏れする場合は、パーツの取り替えも考えましょう。