健康診断や病院での検査で、バリウムを飲むことはありませんか。自宅に帰宅してから出しておかないと、お腹のなかで固まってしまい大変なことになります。しかし、出せたとしても流れていかないトラブルも起こり得るのです。

ここでは、流れていかない原因や解消法をご紹介していきます。飲むのも出すのも辛いのですが、スムーズに流れていくような予防法もあるのです。この件も合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

バリウムがトイレに流れない原因

そもそもトイレに流れない原因とは、どのようなことが起こるからなのでしょうか。普段の便とは異なり、硫酸バリウムという金属でできているため、流れない状態が起こるのです。そのほか多くの原因は、4つの項目に分かれます。

バリウムが固形化してしまうため
検査時に飲むときは液状の状態ですが、胃の中で混ざり合い固形状になります。排泄されるときには、固まった固形物として出てくるため流れにくくなるのです。また、胃や腸内ですぐに固まる性質があるため、通常の便より固くなっています。

バリウムは水より重たいため
硫酸バリウムという金属でできているため、水の約3.5倍の重さがあります。そのため通常の便よりはるかに重く、トイレの中に沈んでしまうのです。流してもトイレの底に張り付いているため、流れない現象が起こります。

バリウムがトイレにこびりつくため
便器にこびり付いてしまうという症状も考えられます。通常の便より固いため、ブラシでこすっても落ちないこともあるのです。水に溶けにくく粘り気も強いため、便器の底や内部に張り付き流れなくなります。

節水タイプのトイレで流しきれないため
節水タイプを使用している方は注意が必要です。流す水量が足りないため流れないケースが多くあります。人の排泄物が流れる水量で設定されているため、通常の便より重く固いものだと流れない場合もあるのです。

トイレで流れなくなったバリウムの解消法

流れなくなったバリウムをどのように解消させたらよいのでしょうか。慌てて水を流し続けると排水溝がつまる場合があるため、正しい方法で解消させていきましょう。ここでは、適切な解消法をご紹介していきます。

割りばしを使って取る
割りばしを使って取っていく方法があります。この方法は大きな塊になっている場合におすすめです。塊を割りばしでほぐしながら取っていきましょう。こすらないように注意しながら、静かに剥がしていくことがポイントです。

ブラシを使って取る
ブラシを使って取り除く前に、ゴム手袋をはめて塊を取り除いてください。手袋なら小さな塊まで取り除くことが可能です。きれいに取り除けたらブラシを使用して、便器内をこすっていきましょう。

塊を取らないうちにブラシでこすると、余計にこびりつくため手順を間違えないように注意してください。通常の掃除で使用しているブラシで構いませんが、タワシや金属製のものは、便器を傷つけてしまうため使用を控えてください。

ぬるま湯を流し込む
塊を取り除きブラシでこすっても便器に残っているものは、ぬるま湯を流し込んで解消させましょう。ぬるま湯を使うことで、柔らかくなり流れやすくなるのです。まずは40℃〜50℃のお湯をバケツに用意します。

準備ができたら付着した部分に向けて、直接お湯を流し込んでいきましょう。便器の水が白く濁ってきたら、溶けているサインです。濁りが無くなるまでお湯を流し込んでいくと、きれいな状態に戻ります。

酸性成分の洗浄剤を使う
目に見える固形物や汚れは解消できたものの、水だけが白く濁っている場合には洗浄剤を使用しましょう。トイレ用の洗浄剤には、塩素系漂白剤や酸性洗剤、中性洗剤の3種類が代表的ですが、バリウムを落としたいときには酸性洗剤を使います。

いちどにかけると便器の中に流れ込んでしまうため、白く濁っている部分に少しずつかけていくのがポイントです。洗浄剤をかけたあとは、ブラシで軽くこすっておきましょう。安上がりな方法なので試してみてはいかがでしょうか。

自然に流れるのを待つ
よほど頑固な汚れではなく、便器に付いていても気にならないという方は、自然に流れるのを待つ方法もあります。放置しておくと、つまりトラブルに発展するなど緊急性が無い場合は、この方法でも問題はないでしょう。

少しずつ水で溶かされ柔らかくなり、自然に流れていくまでの期間は10日〜14日ほどだと言われています。一人暮らしや、家族が気にしない場合であれば2週間ほどですべてが解消されるでしょう。

バリウムがトイレに流れないトラブルを防ぐ方法

苦労しなくても予防できる方法はないのかと考える方も多いでしょう。そこでここからは、トラブルを防ぐ予防対策をご紹介していきます。トラブルを未然に防ぐことがいちばんのおすすめです。ぜひ参考にして試してください。

多めに水を飲む
病院から帰宅したら、水を多めに飲みましょう。水分を取ることで、胃腸に溜まったバリウムを薄めることができます。意識をしながらなるべく多くの水分をとり、体のなかで柔らかくしておくことが重要です。

下剤を飲んでおく
病院や健康診断の会場でも、検査をしたあとに下剤が貰えます。なるべく早めに下剤を飲んで、胃腸に溜めないことが大切です。体の中に溜まってしまうと、どんどん固くなり出たときには、かなりの固さになってしまいます。

便器内にトイレットペーパーを敷く
便意を催したら、便器内にトイレットペーパーを敷いておきましょう。便器に着くこともなく、スムーズに流れます。ただし大量の紙を敷いた場合は、つまってしまうことがあるため注意してください。

非常用トイレを使う
便器にどうしても流したくない場合は、非常用のトイレを使用することがおすすめです。防災グッズやキャンプ用品コーナーでも売られていて、手軽に購入できるアイテムになります。使用したあとは、そのまま捨てることが可能です。

便器に水が流れている状態でバリウムを出す
出したものを便器にくっつけてしまいたく無いときは、トイレの水を流しながら用を足してみましょう。先に水を流し、その流れにのせるようにするのがコツです。この方法はタイミングが肝心であるため、すべてが成功するということではありません。

対策してもバリウムがトイレに流れない場合はプロに相談！

自力で対策しても解消されない場合は、プロに相談することがおすすめです。排水管の奥につまってしまうと、水漏れなどの大きなトラブルにもつながります。相談しにくい案件ではありますが、下記のポイントをよくみて優良業者を選びましょう。

トイレのトラブルは水道業者がおすすめ
トイレのトラブルでは、水道業者に依頼することがおすすめです。掃除代行や工務店でも引き受けはしますが、専門ではありません。早急に対処してもらいたいのであれば、初めから水道業者に依頼するとスムーズです。

複数社から見積りを提示してもらおう！
どの業者に依頼を頼んだらよいか、悩んだ場合は複数の業者から見積もりを取り寄せましょう。相見積もりといって複数の業者に、同内容の見積もりを依頼することです。そこでどの業者が、いちばん安く対応してくれるのかがわかります。

対応のよい業者を選ぶこともおすすめ
安くても、対応の悪い業者はやめておきましょう。相談時や見積もり時に真剣に話を聞いてくれたり、状況をよく調べてくれたりする業者なら安心です。対応がよければ、別の箇所のトラブルでもお願いしやすいと感じるでしょう。

まとめ

健康診断や病院などで受診するバリウムは、胃腸の中ですぐに固まる特性があるため早めに出しておきましょう。硫酸バリウムという金属でできているため、通常の便より固く、粘り気があるのが特徴です。

便器につきやすく、大きい塊になると排水溝も塞いでしまう可能性があります。いちど便器にこびりつくと、なかなか落とせないのです。何度も水を流すと余計につまりを起こしてしまうため、まずは塊を取り除きましょう。

割りばしやブラシ、手袋などを使い、便器を傷つけないように取り除くことがコツです。またトラブルを防ぐには、大量の水を飲んだり下剤を飲んだりしておきましょう。柔らかい状態で出すことで、トラブルが予防できます。