給湯器から水漏れしたのを発見すると、故障してしまったと不安になるかもしれません。

しかし、水が漏れているからといって故障かどうかを判断するのは難しいでしょう。給湯器の機能として、減圧したり凍結を防いだりするために意図的に水を漏らしていることがあるからです。

本記事では、給湯器の水抜き栓から水漏れした場合の確認すべきポイントや、故障が疑われる場合の対処方法について詳しく解説していきます。

給湯器から水漏れしているのを発見したらまず確認するべきポイント

給湯器の水漏れに気づいたら、まず安全のために電源を切りましょう。そして水が流れている箇所を見て確認します。水漏れしやすい箇所は水抜き栓、配管接合部、給湯器本体の3か所です。

給湯器の水漏れで一番多いのが水抜き栓から
給湯器の水漏れで一番多い場所は水抜き栓です。

水抜き栓からの水漏れは、給湯器の機能として意図的に水を漏らしている状態です。旅行や出張などで長期間家を空けて、給湯器をしばらく使っていないと本体内部の圧が上がるため、圧を逃がすために水抜き栓から水を漏らすことがあります。

また、気温が氷点下を下回ると凍結防止のため水を流すこともあります。従来型の給湯器は手動で水を流すのが一般的でしたが、最近は給湯器のリモコンパネルで「自動水抜き」ができるものもあります。

水抜き栓から以外の場所から水漏れしているなら
配管接合部から水が漏れているのであれば、配管が損傷し穴が開いていることが考えられます。まず給水の元栓を閉めましょう。給湯器本体からの水漏れは内部の損傷や不具合が考えられます。それぞれ水道業者へ連絡し、修理を依頼しましょう。

水漏れを発見したらまず何をすればいい？

給湯器の水漏れを発見したら不安になってしまうかもしれませんが、落ち着いて適切に対処すれば問題ありません。正しい対処方法を知りましょう。重要なのは、感電ややけどのリスクがあるため安全に行うことです。

給湯器の電源を切ろう
給湯器の水漏れを発見したら、漏電や電気のショートを防ぐため、電源を切りましょう。電源プラグを抜けばOKです。直接電極部分に触れてしまうと大変危険なので、十分に注意して行ってください。

水道の元栓をしめる
水抜き栓から水漏れしている状態で元栓を開いたままにしておくと、大量に水漏れする恐れがあります。

そのまま放置しておくと、周囲が水浸しになり住宅設備に損害をもたらしてしまう可能性があります。さらに、水道代も高額になってしまうでしょう。元栓を必ずしめて、被害の拡大を防止しましょう。

水道業者に連絡を
給湯器の水漏れを放置しておくと、給湯器内部で不完全燃焼が起こり有毒ガスである一酸化炭素が発生します。最近の給湯器には一酸化炭素を検知する安全装置が搭載されているものもありますが、一酸化炭素は生命にかかわる大変危険なガスです。

また、水が給湯器内の電気系統に入り込むと、漏電やショートを起こす危険性があります。被害の拡大を防ぐためにも、早めに水道業者へ連絡しましょう。

賃貸に住んでいる方は業者に依頼する前に大家さんや管理会社に連絡を
賃貸に住んでいる場合には、自分で業者に依頼する前にまずは大家さんや管理会社に連絡を取る必要があります。賃貸契約において、経年劣化や設備不良による給湯器トラブルの修理は、大家さんや管理会社が費用を負担するケースがほとんどです。

賃貸物件にお住まいの方は、初期対応した上で、大家さんや管理会社へ連絡しましょう。

修理が必要なケース

給湯器は内部の圧を下げるためにあえて水を漏らすことがあります。しかし、水抜き栓からずっと水が漏れていて止まらない、水が大量に流れているといった場合は、給湯器内部に不具合が起きている可能性があります。故障が疑われる場合は水道業者へ修理を依頼する必要があります。

水抜き栓からの水漏れで修理が必要なケースは？
水抜き栓の水漏れで故障が疑われるのは水抜き栓から大量に水が漏れているケースです。凍結によって部品が破損し水漏れしてしまうこともあるため、真冬で気温が低い日は注意して点検しましょう。

最も多くみられるのは部品が経年劣化しているケースです。中でもゴムパッキンは使っていくうちに質が劣化しやすいという特徴があります。

一般的にゴムパッキンは5～10年程度で劣化するとされています。ゴムパッキンが劣化したら、内部を調べて新しいものと交換する必要があります。ご家庭の給湯器の使用年数を調べ、劣化していないかどうか点検しましょう。

長期間使用している給湯器なら交換も検討しよう
給湯器の寿命は約10年と言われています。10年以上使っている給湯器だと、修理よりも交換する方が適切な場合もあります。本体の交換も視野に入れ、水道業者に相談してみるといいでしょう。

給湯器の故障が疑われた際はどこに依頼したらいい？

給湯器の水漏れを修理はする際には、「水道業者」「給湯器メーカー」「ガス会社」といった、専門業者などの依頼先が考えられるでしょう。

各業者にはそれぞれ得意とする分野や特徴があり、対応の内容やサービスなども異なります。納得のいく業者に依頼できるよう、ホームページをしっかり確認しましょう。水漏れトラブルは緊急対応が求められるため、営業時間や対応スピードの速さは重要な基準となります。

また、給湯器交換を検討される方は、各給湯器メーカーの製品を豊富に取り扱っているかどうかも大事なポイントとなるでしょう。業者によって保証サービスの内容も異なるので、給湯器を購入する際には、保証サービスの充実度もきちんとチェックしましょう。

給湯器を安全に使い続けるために

一般家庭で使用される家電による事故を防ぐため、法定点検という制度が定められています。経済産業省ガイドラインによると、法定点検は義務ではなく責務とされ、安全のために点検が推奨されています。

法定点検の実施目安は製造から9～11年です。法定点検のほかに、定期点検を実施している業者もあります。重大な不具合を見逃さず安全に長く給湯器を使用するためにも、点検はきちんと行いたいものです。点検や修理を依頼する際には点検・修理費用に加え、出張費用や部品の費用がかかることもあります。

業者によって料金が異なるため、事前に調べておきましょう。賃貸住宅の場合は大家さんや管理会社が点検の責務を負います。賃貸契約している間は入居者にも設備の保守が求められますが、賃貸で使っている給湯器に不具合や故障があったときは大家さんや管理会社に連絡しましょう。

まとめ

給湯器の水漏れを発見すると不安になってしまうかもしれません。気づいたらまず、水漏れの箇所を特定して適切に対処することが大切です。

中でも水抜き栓からの水漏れはとても多いケースですが、給湯器の減圧や凍結防止のための機能として水が流れているケースがほとんどです。ですが、経年劣化や凍結、施工不良などによる故障が疑われる場合は、放置しておくととても危険です。

給湯器内部で一酸化炭素が発生してしまったり、大量な水漏れにつながったりすることもあります。自分で判断するのが難しい場合はいったん使用を中止して業者に依頼しましょう。点検、修理、出張費用は業者によって異なるので、きちんと調べておきましょう。