家中の水回りの清掃を行っても水の流れが悪かったり、つまりが解消されなかったりといった経験はありませんか？もしかすると、汚水桝につまりが発生しているかもしれません。

本記事では汚水桝とは何なのか、汚水桝がつまる原因と対処法、つまりの修理を業者に依頼したときの費用とつまりの防止策について解説していきます。

そもそも汚水枡とは？

そもそも汚水桝とは何なのでしょうか。汚水桝は、住宅敷地内にある小さなマンホールのことで、別名で排水桝や下水桝、排水会所と呼ばれることもあります。

機能も多少の違いがあるものの、役割は同じで排水管の点検口として使われます。原則排水管が交わる箇所や不純物を分離すべき場所に位置しています。

汚水桝のマンホールは蓋がプラスチックと鉄製、コンクリートで作られたものの3つに分けられます。そして形は円形と四角形の2種類です。

汚水枡がつまってしまう原因

汚水桝がつまってしまう原因は、排水管のつまりです。汚水桝は排水管がつまった時に外からアプローチするために屋外に設置されています。
原因となるものは以下の通りです。

・トイレの排水
・キッチンの排水
・土砂

まずトイレの排水です。水回りの中でも、トイレの排水によるつまりが圧倒的に多いです。トイレットペーパーや生理用品を誤って流してしまい、汚水桝周辺の排水管で引っかかってつまってしまうこともあります。

水回り付近でのつまりと比べて、汚水桝付近の排水管には大量の排水がつまるのでかなり頑固なものになります。ワイヤーでつついたくらいでは解消しません。

そしてキッチンです。キッチンから流した油が排水管にたどり着いたとき、気温低下で固まってしまったものが蓄積します。トイレに比べると頻度は少ないものの、油によるつまりはかたり硬くなっているため改善するのが厄介です。

最後に「土砂」です。汚水桝は屋外にありますが、土砂や砂など外側から異物が入り込まない仕組みになっています。

しかし、稀に汚水桝の蓋や内部に破損が見られその仕組みが壊されていることがあります。そうなると土砂が排水桝に入り込むことは容易になってしまいます。

汚水桝付近の排水管でつまってしまった可能性がある場合は、自力で対処することもできますが、自身がない場合はプロに相談して対処してもらいましょう。

汚水枡のつまりを解消するためには？

家の水回りトラブルが汚水桝のつまりによるものである可能性があった時、自力でも対処ができます。マイナスドライバーと散水用ホース、スポンジを用意しておきましょう。対処法は以下の手順です。

1.汚水桝を探す
2.汚水桝を清掃する
3.水を流す

まず汚水桝を探す方法から解説します。

つまりが起きている汚水桝とそれより下流にある汚水桝を特定します。そして可能であれば自宅のある敷地と道路の境にある公設桝とつまっている汚水桝の位置関係がどのようになっているかも確認します。

わからなければ汚水桝の蓋を開けた状態で水を流してください。汚水桝の蓋はマイナスドライバーで開けることができます。汚水がどの方向に流れているのかを確かめましょう。

次に、汚水桝を清掃します。汚水桝を発見したら、マイナスドライバーで蓋を開けます。大量の固い油がこびりついている場合は、ドライバーや園芸用スコップなど固いもので削ぎ取ってください。

汚れをそぎ落としたら汚水桝の中を洗浄します。柔らかいスポンジで傷つけないように優しく洗ってください。この作業は水回りの配管につながっている水上から浄化槽の役目をしている水下の順に実施しましょう。

最後に水を流します。水上から水下に水を流し、蓋をして完了です。

なお汚水桝にはあらゆる水回りからの排水が集まってきているので、不衛生です。汚水桝の掃除をする際は汚れてもよい格好で行ってください。汚れだけじゃなく悪臭も衣服についてしまう恐れがあります。

汚水枡のつまりの修理を業者に依頼した際にかかる料金の目安

汚水桝がつまってしまった際には自力で対処することもできますが、あらゆるリスクもともなうので、プロに依頼した方が無難です。

専門の修繕会社に依頼した場合の料金相場は次の通りです。

・つまりの取り除き作業8.000～1万1,000円
・脱着工事1万2,000～1万5,000円
・戸建てへの高圧洗浄機使用1万5,000～2万円/1時間
・店舗/集合住宅への高圧洗浄機使用3万5,000～4万5,000円/1時間
・トーラー機使用1万3,000～1万8,000円(3m)

このように専門の修繕会社に依頼すると、つまりがひどいときは「トーラー機」と「高圧洗浄機」を使用した修繕が行われます。

トーラー機は別名ワイヤー式排水管掃除機と呼ばれ、ワイヤーの太さや長さに種類があり、ワイヤー先端部のアタッチメントもあらゆる種類があります。高圧洗浄機にはエンジンで動く移動式高圧洗浄機と排気ガスの出ない小型の電動洗浄機があります。電動洗浄機は主に室内用なので汚水桝には使われないですが、これらの機器をつまりの程度に合わせて対処していきます。

専門の修繕会社が行う基本的な対処法は2通りあります。

まず「トーラーを使用した対処法」です。つまりを発生させている汚水桝を特定し、トーラー機のワイヤーを高速で回転させながら下水管の内部に挿れていきます。つまりに到達したらワイヤーがつまりを押し出し、下水に流します。トーラー機はつまりの原因が油汚れなど硬いものに有効です。

そして「高圧洗浄機を使用した対処法」です。まずつまっている汚水桝を特定し、高圧洗浄機の洗浄ノズルを深く挿れていきます。高圧洗浄機のスロットルを開いて水圧、水量のレベルも上げていき、洗浄していきます。次第につまりが解消し、汚水が下水道に流れていくと終了です。高圧洗浄機を使用すると、悪臭の元も消し去ってくれるので悪臭除去の効果も期待できます。

これらの機器どちらを使用するかは、つまった汚水桝の場所や原因となるものを見極めて判断されます。つまりの原因となるものの除去の他に、その他の汚れや細菌、有害な微生物の除去も行ってくれるので自力でやるよりもメリットがかなり多いです。

汚水桝のつまりは頻繁に起こることではないので、起きてしまった際にはプロに依頼して一気に洗浄してもらった方がよいかもしれません。

汚水枡のつまりを防ぐ対策

汚水桝につまってしまうととても厄介ですよね。汚水桝をつまらせないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

まずはトイレ内にトイレットペーパー以外のものを流さないことを徹底しましょう。トイレットペーパーは水に溶けやすく流れやすいものを選ぶようにしてください。

そしてすべての水回りにいえることですが、液体パイプクリーナーでの洗浄も定期的に行うことでつまりの原因が悪化する前に対処ができます。

なお、いくら水回りで予防に努めていても、長く汚水桝を放置していると汚れは溜まっていきます。半年に1回程度汚水桝の点検、掃除を心がけましょう。

専門の会社にメンテナンスを依頼するのもおすすめです。

まとめ

ここまで汚水桝とは何なのか、汚水桝がつまる原因と対処法、つまりの修理を業者に依頼したときの費用とつまりの防止策について解説してきました。

汚水桝は水回り側から確認ができない、排水管奥がつまってしまったなどのトラブルを解消するための点検口です。汚水桝でつまりが発生してしまったときに自力で対処することもできますが、異臭や不衛生な汚れが苦手な人もいるでしょう。そのようなときは専門の修繕会社に依頼しましょう。

また、汚水桝をつまらせないように日ごろから水回りの掃除をすることも大切です。つまりの原因となるものを汚水桝に到達させる前に解消しましょう。