水漏れトラブルで特に注意したいのが給湯器の水漏れです。給湯器から水漏れすると一酸化炭素中毒につながる危険性があるからです。一酸化炭素は無味無臭ですが毒性が強く、重度であれば痙攣や意識障害に陥り、最悪死に至ります。

また漏れた水が周辺の機器にかかり、電気系統がショートする危険性もあります。二次被害を出さないためにも、水漏れに気づいたらすぐに対処しましょう。

対処不要のケース

給湯器の水漏れの原因によっては修理不要な場合もあります。水抜き栓から一時的に水が出ている場合です。水抜き栓とは給湯器内部の圧力が高まった際に、減圧するために水を排出させる装置です。たとえば、長期間給湯器を使用していないと、内部の圧力が上がってしまいます。この時、水抜き栓から水が排出されることによって減圧され正常に戻ります。

長期間不在にした後水抜き栓から水が漏れている場合は、一度お湯を出してみましょう。正常にお湯が出て、水抜き栓からの水の排出が一時的であればそのまま使用して大丈夫です。ただし、水抜き栓からの水漏れでも量が多く水が止まらない場合は不具合がどこかにあるので修理が必要です。また、頻度が高い場合も修理業者に相談しましょう。

対処が必要なケース

・経年劣化
給湯器の標準設計使用期間は一般的には10年です。標準設計使用期間は「安全上支障なく使用できる期間」のことです。この期間を過ぎると経年劣化による事故が発生するおそれがあります。使用方法や使用頻度にもよるため7年ほど使用している場合は注意が必要です。

経年劣化による破損が起きやすい箇所はパッキン等のゴム製品です。ゴム製品は10年程で弾力がなくなってしまうので、パッキンとしての効力を失い水漏れにつながります。劣化による水漏れはその部品を交換しないと水漏れが改善しません。

ただ、10年程使用しているのなら他の部品も経年劣化している可能性があるため、買い替えも検討してみましょう。水漏れ以外にも異音がする、温度調節がうまくできない、ガス臭い、サビついている、黒い煙が出る等の症状がある場合は買い替え時かもしれません。

・凍結による水漏れ
気温が氷点下まで一気に下がったときは凍結による水漏れの可能性があります。凍結よる水漏れは、寒冷地域よりも配管に凍結防止の対応がとられていない比較的温かい地域に多いです。凍結が特に起きやすいのが給水配管です。お湯ではなく水が通るので外の気温の低いと一気に中の水も冷やされて、凍結しやすい傾向があります。本体と配管の接続部分も凍結する恐れがあります。

本体内部にヒーターが組み込まれている機種もありますが、接続されている配管までは凍結を防止できません。配管が破損している場合、放置は厳禁です。すぐに修理業者を呼びましょう。

給湯器を長持ちさせる方法

・凍結予防
凍結の予防に一番効果的なのは少量の水を出したままにしておくことです。天気予報で今夜がかなり冷え込むとわかったら、お風呂や台所、洗面所でもいいので一箇所だけお湯の出る蛇口から一分間に約 400 ミリリットル（約 4mm）の水を流し続けてください。この時、給湯器のリモコンの運転を切り、給湯器のガス栓を閉めます。

ただし、ガス給湯暖房熱源機をお使いの場合、ガス栓を閉める必要はありません。ガス給湯暖房熱源機は、給湯、自動湯はり、追い焚き、温水暖房の機能を備えたタイプのガス給湯器のことです。また、水抜き栓を開けて水抜きをするのも有効です。他に本体外部の配管には断熱材をしっかり巻くことで凍結防止につながります。

・給湯配管の劣化の予防
給湯器の電源が入っていない時にレバーをお湯側で水を出していませんか？配管は水が通る給水配管とお湯が通る給湯配管で分かれています。給湯配管に冷たい水が通ると、金属と水の温度差により配管の表面に結露が起き、サビやすくなります。

また、冷たい水が通ることにより給湯配管が冷やされることも劣化の原因です。冷やされた給湯配管にお湯が通ると、配管の温度差が大きくなるため、給湯配管に負荷がかかり劣化の原因となるのです。お湯を使わない時はレバーを水側にしましょう。

水漏れ時の対処方法

給湯器からの水漏れがわかったら、すぐに使用をやめます。給湯器のコンセントを抜いて、水漏れ箇所を確認しましょう。水漏れ箇所が水抜き栓以外であれば給水バブルを回し給湯器への給水をストップさせます。一時的に水漏れを止めるためです。その後、修理業者に修理の依頼をしましょう。

軽微な水漏れの場合でも、マンションなどの集合住宅の場合、階下への浸水させる恐れもあるため、給水を止めて、対処するようにしましょう。

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