浴槽を交換するタイミングや基本的な流れについて解説!
浴槽は頻繁に交換するものではありませんが、不具合などが発生した際は、早めの交換が必要になります。そのため、事前に交換の流れや費用相場を把握しておきましょう。
今回は、浴槽の交換する流れや交換のタイミング、交換費用の相場などについてご紹介します。
浴槽を交換する具体的な流れ
ここでは、浴槽を交換する具体的な流れについて解説します。
■現地調査・見積もり
はじめに、業者による現地調査と見積もりを依頼します。
現状の浴槽はどの商品か、交換するにはどのような工事が必要か、など浴槽交換前に確認することは多くあります。
見積もりは無料としている業者が多いものの、なかには出張費が発生する場合があるので、依頼する前に公式サイトなどをしっかりとチェックしてください。
見積もりをとった結果、費用に納得がいかない場合には、いったん保留としてほかの業者にも見積りを依頼してみましょう。
■浴槽の解体撤去工事
業者の見積内容に了承後、日程を調整して浴槽の解体・撤去工事を実施します。
浴槽をそのまま外に出せる場合はよいのですが、大きすぎる場合は解体が必要になります。浴槽のなかでもとくに埋込式タイプのものは、費用が掛かると認識しておきましょう。
■壁や床の取り壊し
新しい浴槽がすんなり設置場所まで入れば問題ないですが、入らない場合は古い浴槽のように解体するわけにはいかないため壁や床の取り壊しが必要になります。
取り壊しが発生する場合は費用も増すため
■浴槽設置場所の下地調整
浴槽の設置場所の勾配がきつい場合や浴槽下の空間が広い場合は下地の調整が必要になります。浴槽をそのまま設置場所に置いただけで完成する場合もあれば、設置条件によって下地調整が発生します。調整費用が掛かる可能性もあります。
■新しい浴槽の設置
新しい浴槽の設置をします。埋込の場合は、埋め込み作業が発生するので工事費が増します。
■壁や床の再構築
壁や床の取り壊しを行っている場合は、新しい浴槽の設置後に壁や床の再構築をします。
浴槽を交換する目安
浴槽交換の流れについて解説してきましたが、ここからは、浴槽の交換が必要になる目安についてご紹介します。以下の症状が見られる時が、浴槽の交換の目安です。
■コーキング材に劣化が見られるとき
浴槽と壁の間や壁同士の間を埋めている建築材料をコーキング材と呼びます。
透明のものもあれば、白いものや灰色のものもあります。水の侵入防止などの役割があります。コーキングが劣化している場合は、機能が正常に働かなくなるため、カビや腐食の原因になります。
■カビやサビが取れなくなっているとき。
カビやサビが進行すると、腐食に繋がるため、早めの交換を検討しましょう。
■排水口から嫌なにおいがするとき。
排水機能に異常が生じた場合にも異臭が発生することがあります。
掃除しても臭いが取れない場合は、劣化が進んでいる可能性が高いため、早めの交換を検討しましょう。
■浴槽の壁や床に劣化が見られるとき。
浴槽の壁や床に劣化が見られる場合は、腐食の原因になるため、早めの交換を検討しましょう。
お風呂の寿命は、普段からお手入れやメンテナンスをしている場合は、約20年~30年程度です。ただ、一般的には10年~15年程度と言われています。上記で上げたような症状がみられるときは、浴槽の交換を検討しましょう。
また、上記で上げたような症状が現れていない場合でも、修理や備品の交換が必要になる場合もあります。何かいつもと違うように感じたら、早めに業者に相談しましょう。
浴槽の交換費用相場
ここからは、浴槽の交換費用の相場についてご紹介します。
浴槽の交換費用は、浴槽の設置方法や素材によって変わります。ここでは、浴槽の設置方法や素材別に交換費用相場を解説しています。
■浴槽設置方法は3種類
浴槽には、「埋込タイプ」「据え置きタイプ」「半埋込タイプ」の3種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
■埋込タイプ
埋込タイプとは、浴室の床面に浴槽が約1/3程度埋め込まれているものです。
古いタイプの浴槽に多く見られる設置方法です。埋込タイプの浴槽は、埋め込まれている分費用が高くなる傾向にあります。工事費用は以下の通りです。
・既存浴槽の解体撤去:2万円~10万円
・壁や床の取り壊し:現状の状態により変わる
・下地調整:2万円~5万円
・新しい浴槽の設置:5万円~10万円
・排水管工事:5万円~10万円
・養生費:2万円~5万円
・管理諸経費:工事費の数%
■据え置きタイプ
据え置きタイプとは、浴室の床の上に浴槽を置くだけのシンプルな設置方法です。
浴槽の交換のみの場合は工事費用を押さえられますが、天井や壁面、バランス釜の工事まで含むと費用が高くなる傾向にあります。工事費用は以下の通りです。
・既設浴槽撤去処分:2万円~5万円
・新しい浴槽の設置:2万円~6万円
・配管工事:1万円~3万円
・壁と床のタイル工事:15万円~25万円
・天井や壁面の塗装工事:3万円~6万円
・バランス釜の交換工事:15万円~20万円
・管理諸経費:工事費の数%
■半埋込タイプ
半埋込タイプとは、埋込タイプと据え置きタイプの中間の設置方法です。ユニットバスなどに多く見られるタイプです。工事費用は、埋込タイプとほぼ同一です。
浴槽の素材ごとの工事費用
浴槽の設置タイプ別の費用について解説してきましたが、ここからは、浴槽の素材ごとの工事費用についてご紹介します。
・ヒノキ:40万円~数百万円
・ホーロー:15万円~100万円
・人工大理石(ポリエステル系):2万円~40万円
・人工大理石(アクリル系):30万円~120万円
・強化繊維プラスチック(FRP):3万円~35万円
・ステンレス(SUS):2万円~25万円
浴槽を交換する際チェックしたいポイント
ここからは、浴槽を交換する際のチェックポイントについてご紹介します。ポイントは主に以下の3つです。
■新しい浴槽を浴室に搬入できるか
新しい浴槽が浴室に搬入できるか事前に確認しておきましょう。万が一新しい浴槽が浴室内へ搬入できない場合、壁や床の取り壊しと再構築が必要になります。
■リフォーム可能物件か
賃貸物件では、自己判断でリフォームすることができません。浴槽交換のような大掛かりなリフォーム工事は家主の許可が必要です。賃貸物件で浴槽の交換を行う場合は、事前に家主に許可を取りましょう。
■知識なしで浴槽の補修や塗装をしていないか
知識なしで素人が浴槽の補修や塗装を行うのは危険です。
溶剤系の塗料を密閉空間で使用すると身体に害を与えることもあります。また、補修や塗装などに失敗した際に修繕費用が余計に掛かってしまいます。
まとめ
今回は、浴槽を交換するタイミングや流れ、工事費用などについてご紹介しました。浴槽の一般的な寿命は10年~15年程度と言われていますが、使用状況や環境によっては10年未満で交換が必要になることもあります。
浴槽を交換する際は、「どのタイプの浴槽にするか」「搬入路に問題はないか」「リフォーム許可をとっているか」を事前によく確認しておきましょう。
交換する浴槽のタイプや素材によって、費用が変わります。また、工事業者によっても工事費用が変わるため、お住まいの地域にある業者数社に見積もりを取りましょう。