トイレの水漏れを修理する前に確認するべきポイントとは?
トイレで漏水を発見したとき、どうしていいかわからず放置してしまうと、後々になって被害が大きくなり、修理の金額や日数が増えてしまう恐れがあります。
漏水は発生個所によって原因も違います。事前に原因別の対処法を把握していれば安心ですよね。そして中には、自力で解消するのは難しいものもあります。
この記事では、トイレから漏水する原因と、修繕する前に確認する点、修繕方法と専門家に相談すべき状況について解説しています。
トイレから水漏れする原因
トイレの漏水は複数の場所で発生するため、やっかいです。
そして漏水箇所によって原因が異なります。漏水を確認したら、まずはどこで発生しているのかを突き止めましょう。漏水が発生しやすい場所とその原因は次の通りです。
■給水管、排水管接続部分
まず「給水管・排水管接続部分」からの漏水です。
給水管は壁とタンクにつながっていますが、壁側とタンク側それぞれの接続部分で漏水する恐れがあります。原因はパッキンの老朽化やナットのゆるみなので、自力で簡単に対処が可能です。ナットがゆるんでいた場合はしっかり閉めましょう。
パッキンの老朽化が見られた場合は新しいものに取り換えてください。パッキンはホームセンターなどで購入できます。
■タンクと便器の間
そして「タンクと便器の間」から漏水が見られた場合を見ていきましょう。
タンクと便器の間には、ゴム製の密接パッキンという部品があります。これはタンクから便器へ水が流れる時に水が外に漏れないように、タンクと便器の間を埋めているものです。
密接パッキンが古くなるとタンクと便器との間に徐々にすき間が発生し、そこから水が漏れ出してしまいます。
次に「タンク内」での水漏れです。
タンク内で漏水が発生する原因は、浮き玉またはボールタップのアクシデントが考えられます。どちらか一方の不具合でも漏水が発生してしまいます。
浮き玉はタンク内の水位を測るための部品で、浮き玉が示す水位をもとにボールタップがタンクの給水の量を調整しています。
浮き玉を持ち上げているのに水が止まらない場合は、ボールタップの止水弁が壊れています。ポールタップの止水弁が壊れている場合は、新しいものに取り換えましょう。
便器にひびがあった場合「便器本体・外装」から漏水が発生します。便器は陶器でできているので頑丈ですが、固いものをぶつけたり大きな地震が発生したりするとひびが入ることがあります。
「便器と床の間」から漏水発生時は、トイレの設置上の問題かフランジパテが古くなっていることが考えられます。トイレの設置上の問題とは、トイレを修繕したり新しいものに取り換えたりしたときに起こりやすい問題です。
これらが原因だった場合は修繕・取り換えを依頼した専門家に連絡して保証してもらいましょう。そしてフランジパテというのは便器と床下の排水管の間を埋めている部分のことです。それが古くなると漏水が発生してしまうことがあります。
「ウォシュレットのノズル・パーツ」からの漏水はあらゆる原因があります。トイレとウォシュレット便座をつなぐナットのゆるみやパッキンの老朽化、操作リモコンの不具合やノズル、給水フィルターの詰まりなどです。
ウォシュレットは電化製品なので、部品も多く構造が複雑です。ウォシュレット周辺から漏水が発生してしまっている場合は専門家に早めに相談して、適切な修繕を相談しましょう。
トイレの水漏れを修理する前に確認するべきポイント
トイレで漏水を見つけたとき、まず早急にするべきことがあります。結果的に修繕をお願いすることになっても、まずこの2点は確認・対処しましょう。
・漏水箇所を突き止める
・止水栓を止める
漏水を対処するには、まず原因を突き止めなくてはいけません。
そして原因を突き止めるには漏水がどこで起こっているのかを確認する必要があります。配管なのか、タンク内なのか、便器の破損はないかしっかり探ってください。
漏水発生個所を突き止めたら、まず止水栓を閉めます。なお止水栓が見当たらない場合は水道の元栓を止めてください。
その場合家全体の水回りの水が出なくなってしまいますが仕方ありません。漏水したまま修繕を始めると危険も伴います。
そして、漏水の修繕をするためには、劣化や破損があった部品を取り換える必要があります。
ホームセンターなどでパーツは購入できます。パーツは同じものではなくてはいけませんので現物を持っていくか、メーカーや型番、写真などを用意しておくと確実です。
自力で改善できそうにない場合は無理をせず、専門家に相談しましょう。トイレの仕組みをきちんと理解せずに修繕を進めてしまうと、状況がさらに悪化する場合があります。
ナットの調整や簡単な部品の取り換えであれば簡単にできますが、漏水の修繕を安易に考えてはいけません。電化製品であるウォシュレットであれば、なおさらです。
止水栓を止めて、コンセントを抜き、感電に注意しながら専門家に任せましょう。
トイレの水漏れの修理方法
トイレの漏水の修繕方法は、原因によって異なります。トイレの漏水で考えられる、主な原因は以下の通りです。
ナットのゆるみ、パッキンの劣化
・浮き玉・ボールタップの不具合
・ウォシュレットの漏水
まずナットのゆるみが考えられる場合は、モンキーレンチやウォーターポンププライヤーを使ってナットを閉めます。
ナットがゆるくなってしまい閉められない場合は、新しいものに取り換えましょう。パッキンの老朽化は、接続部分のパッキンを取り換える必要があります。
パッキンは既存のものと同じものでないといけません。もしパッキンが製造中止となっていたら、給水管や排水管そのものの取り換えが必要です。
タンク内の浮き玉が壊れた場合は、新しいものに取り換えてください。まず止水栓を閉めてレバーを回し、タンクの水をすべて排出します。そして浮き玉の鎖を外し、新しい浮き玉を取り付けましょう。
ボールタップが故障した場合も、新しいものに替えてください。給水管とボールタップをつなげているナットを外し、既存のボールタップを外して新しいものに取り替えます。部品の取り換えがすんだら止水栓を開けて、漏水が改善したかを確認してください。
ウォシュレットから漏水が発生した場合は、感電にも注意を払わなければいけません。部品も多く構造も複雑なので、専門家に相談することをおすすめします。
こんな場合は修理業者に依頼しよう!
ナットの調節などであれば簡単に自力で対処できますが、基本的にトイレでの水漏れは専門家に依頼することをおすすめします。
中でも、とくに専門家に相談すべき状態は次の通りです。
・タンクと便器の間の漏水
・便器本体の漏水
・便器と床の間の漏水
・ウォシュレット付近からの漏水
タンクと便器の間からの漏水を修繕するには密接パッキンの取り換えが必要です。そうなると重いタンクを持ち上げなければいけません。
便器本体の漏水もひびによって発生している場合があるので、便器の取り換えが必要です。
そして便器と床の間の水漏れを解消する場合も、トイレ本体を取り外さなければいけません。重いタンクを持ち上げることは大変な労力を要します。
これらを無理して自分で修繕を行うと、漏水の状況がさらに悪化する恐れもあります。
また近年は温水洗浄便座が当たり前の設備となっていまが、温水洗浄便座は電化製品です。漏水となると、漏電の危険があります。
温水洗浄便座には、細かな電気コードなどが配線されています。また部品は10年以上が経つと製造中止になっている可能性もあります。
そうなるとトイレ全体を取り換えしなければいけなくなります。修理で済むのか、トイレ全体を取り換えなければいけないか、専門家の的確な意見を聞く必要もあるでしょう。
トイレは生活に欠かせない場所です。修理会社によっては即日修理も可能なところもあるので、まずは問い合わせてみましょう。
まとめ
ここまでトイレの漏水で考えられる原因と修繕措置を始める前に確認すべき点、修理方法と業者に相談すべき状況を解説してきました。
トイレは構造が複雑で、あらゆるところから漏水が発生する恐れがあります。最初は少量だった漏水もだんだん量が増えて水浸しになってしまうという事態も考えられます。少量でも漏水が発生していたらすぐに対処しましょう。
近年では温水洗浄便座からの漏水被害もよく聞きますが、温水洗浄便座は電化製品なので専門業者に相談してリペアしてもらう方が無難です。漏水で困っている方は修理会社に相談してみましょう。